素晴らしいメロディが浮かぶ!

僕の場合、アレンジのアイディアはスタジオで楽器や機材に向かっているような深夜に生まれることが多いが、ことメロディに関しては、眠りから目覚めた時に浮かぶことが多い。

①夢の中で作曲していたり、②夢の中で自然とメロディが流れていたり、③あるメロディが頭の中をループしながら徐々に眠りが浅くなって目覚める、そういったことが多いのだ。

昨日は③であった。

ちなみに、ビートルズの「イエスタディ」もポールが夢の中で作った曲として有名だが、「僕もポールと同じなのサ」なんてハズカシイことを言わない程度の知性が備わっていて本当に良かったと思う。

さて、その時浮かんだメロディは、メロディック・クリシェを伴う、「少し古風な感じがするけれど、とてもいいメロディ」だった。これは!と思い早朝から整えはじめる。

「整える」とは、ひと筆書きのような一本のラインを ”音楽” にするために、キー、拍子、テンポ、コード、リズムなどをまとめていく作業である。

月曜と金曜以外は朝10時からレッスンが始まるので、10時までにまとまるかが勝負。なぜならレッスンが始まって、生徒が作った曲や、生徒が分析中の曲を聴けば、自分の中のメロディやイメージなんて、全部どこかへぶっ飛んでいってしまうのである。10時までにまとまらなければ ”時間切れ” だ。

時計を横目で確認しながら、時間が許す限り様々なアイディアを試行錯誤するのである。鍵盤やギターを弾きながら歌ってみたり、より具体的に確認したい場合は、Cubaseにドラムパターンを入れて一緒に歌ってみたり、などだ。

パンクロックを想定してみる。。。悪くないがちょっと違う。メロディの柔らかさが ”歌謡パンク”、”ファッションパンク” 的な雰囲気を醸し出してしまうのだ。

スカを想定してみる。かなりイイ感じではある。けれどもスカは先日仕事で作ったばかりでやや食傷気味。モチベーションが上がりそうにない。

次にアップテンポなツービートを想定してみる。。。まるでサザエさんの劇中曲だ。そしてあまりにサザエさんの劇中曲だ。

バラードを想定してみる。おお!これは素晴らしい。メロディとの相性バツグンである!!

おっと、自然と歌詞まで出てきたぞ!しかも英語で!?

はいそれがコレ

つ・ま・り、ディーン・マーティンの歌で大ヒットした名曲中の名曲『誰かが誰かを愛してる』を思い出していただけ、だったのだ。

無念。。。

そして僕は10時までの間、ゆっくりとコーヒーを飲みながらフランク・シナトラのバージョンにも耳を傾け、この曲のwikiを見るのであった。するとこう書いてあった。

ディーン・マーティンはロックン・ロールが嫌いで、ビートルズのファンである彼の息子と家庭内でしばしば対立し「お前の大好きなバンドをヒットチャートから追い出してやる」と言って、1964年8月にこの曲でビートルズに代わってビルボードの総合ヒットチャートの首位に立った、ということらしい。。。自分の大好きなバンドが自分のおやじに負かされる心境やいかに!笑

ではサザエさんバージョンをどうぞ

どう聴いてもサザエさんのために作られた楽曲にしか聴こえない・・・。アレンジとは、かくも恐ろしいものなのである。

 
 
 

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