【連載】My Plugin FX #16 Restration

今回はレストレーション。オーディオの修復ツールですね。
 

【RX 8 / iZotope】総合オーディオ修復ツール

iZotopeはもともと映画やドラマ、TV番組などのMA(マルチオーディオ)作業の場で様々なノイズを除去するエフェクトを開発していたメーカーなので、レストレーションはお家芸です。iZotope RXは、マスタリングでお世話になることが多いですが、ミックス時に効果を発揮してくれるプラグインも多いです(僕はAdvanceですが一般的にはStandardで十分です)。しかし過度の期待は禁物。使えば必ず音質が劣化します。適用したい箇所だけを別トラックに分けるかCubaseなら該当箇所のみにオフラインプロセッシングで用いるのが得策。

 
【Z-Noise / WAVES】ノイズ除去プラグイン

モーター音とか空調のファンの音など、継続的なノイズに威力を発揮するエフェクトです。ノイズだけが鳴っている部分を聴かせて学ばせた後、スレッショルドとリダクション量を調整します。ま、これもしっかりノイズ除去しようとすれば音が変ってしまうし、音が変らないような設定にすれば十分にノイズを除去できない。これはどのメーカーの何を使っても同じですね。過度な期待と過度の使用は禁物。

 
【UNVEIL / Zynaptiq】残響音除去プラグイン

これはリバーブ除去専用のツールです。上にあるiZotope RXの画像もDe-Reverbといって残響音を除去するエフェクトです。オーディオ素材やトラックに最初から含まれている部屋の反射音や残響音が原因でミックスが上手くいかない、というのはよくあることです。どちらのプラグインもしっかり反射音や残響音を取り除こうとすると、やはり音が変ってしまいます。

いろいろと実験しているうちに僕はZynaptiqのUNVEILで残響音を軽く取り除いた後、iZotopeのDe-Reverbを用いることで、音質を大きく変化させることなく、かなりの量の残響音を取り除けることを発見しました! そしてその少し後、ミックスについて詳しく書かれた洋書を読んでいたら、グラミー賞(最優秀エンジニア賞)受賞歴のあるエンジニアが、僕と完全に同じこと(Zynaptiq UNVEIL → iZotope De-Reverb)をしていると書いてあったので、これについては信用してもらって大丈夫そうです!!
 
 
 

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