【連載】My Plugin FX #12 Delay

今回はディレイです。やまびこ効果ですね。リバーブより圧倒的に密度が低いので、同じ効果が得られるのであればディレイを用いた方が空間のリソースを食いつぶさずに済みます。よって空間処理はまずディレイから先に考えます(リバーブを先に紹介しておいてナンですが)。主に用いるのはこの4つです。それぞれに得意分野があります。

 
【EchoBoy / soundtoys】

これは、Roland Space Echoのようなヴィンテージなテープディレイや、BOSSのDM-2のようなBBD(バケツリレー素子)を用いた暗くザラついたアナログ・ディレイの雰囲気を出すのに最適です。よく出来てると思います。使いやすい。ギターやシンセによく用いますが、時にはボーカルにも用います。

 
【Repeater Delay / Slate Digital】

このプラグインは23機種にも及ぶクラシックなヴィンテージ・ディレイを搭載していて、EchoBoyのようにテープやBBDタイプの名機も当然網羅していますが、このディレイの売りは何と言ってもデジタル・ディレイ黎明期の名機中の名機、Lexicon PCM-42の再現、つまり80年代のデジタル・ディレイの再現性でしょう。よく出来てます。僕が若かりし頃、海外のAORやロックのアルバムを聴いて感動したあの音が出てきます。

 
【Timeless 3 / fabfilter】

上記2つと比べてパラメーターが多く様々なことができるので、ヴィンテージ・サウンドの再現ということより、よりモダンなサウンドだったり、よりクリエイティブにディレイを用いる場合にこれを使ってます。プリセットツアーをして ”ぶっ飛んだサウンド” を見つけて飛び道具的に用いることも多いです。まだ使いこなしている感はそんなにないのでもう少しいじっていきたい。

 
【Super Tap 6-Taps / WAVES】

ディレイひとつひとつのタイミング、音量、パン、フィルターを個別に設定したい時に、ずっと昔から使ってます。完全に慣れ切っているので扱いやすい。Cubase付属のマルチタップ・ディレイはこれよりずっと色々できますが、何をするにもいちいちタブを切り替えながらの操作になるので段々イラついて嫌になってきます。EQも、エフェクト欄を開き、選択して、インサート。あーめんどくせえ。”見えているものが全て” がWAVESのGUIの強みですね。

 
 
 

目次