音楽学習を続けるための実践的モチベーションアップ術

音楽を学ぶ過程は楽しいものですが、長く続けていくためにはモチベーションの維持が重要です。本記事では、無理なく音楽学習を続けるための具体的なコツや、モチベーションを保つ方法についてお伝えします。期限に縛られすぎない目標設定やコミュニティの活用、自分のペースで音楽と向き合う方法を見つけていきましょう。

ミニチュアの音楽スタジオで楽器を持つ女性ミュージシャン。女性はカジュアルな服装で、部屋にはギターやヘッドホン、デスクにPCや音楽機材が配置され、ポップな雰囲気の中で音楽制作に集中している様子が表現されています。

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目次

期限設定の落とし穴

音楽学習で大きな目標を設定すること自体は問題ありませんが、「いつまでに」という具体的な期限を設けることは避けた方が良いでしょう。特に音楽の勉強や楽器の練習では、未知の事柄へのアクセスとなるため、習得の難易度が予測しづらく、予定通りに進まないことが多々あるからです。

「今月中に曲を完成させる」や「今年中にこの曲を弾けるようになる」は、達成できれば良いのですが、達成できなかった時の自己評価の低下やモチベーションの低下など、多くの人にとって挫折の原因になるためお勧めしていません。

効果的な時間ベースの目標設定

そこで効果的なのは、関わる時間に基づいた目標設定です。「毎日15分楽器の練習をする」「土日には90分ずつ楽曲制作に取り組む」といったように、一定時間を学習に割り当てて、それを続けることを目標にします。この方法は進行度に左右されずに継続的な取り組みが可能です。進み具合は気にせず、続けていくことだけを目標にします。

挫折する人はハードルの設定が高め

ハードルはできるだけ下げます。ここで高いハードルを設定すると結局は達成できずに挫折の元となるからです。なんなら1日最低5分でも構いません。「5分以上はやる」と決めて、やった時間をスケジュール表に書き込んでいけばいいのです。トイレに吊るしたカレンダーや、キッチンの冷蔵庫に付けるメモ帳など、日常的に目に触れる場所に設置すると効果抜群です。これにより、焦りや苛立ちを排除し、日々の小さな成功体験をモチベーションの維持に繋げていくことができます。3日続いたら自分を褒めてあげる、からスタートです。

朝を活用したルーチン化のすすめ

ルーチン化するのに最適なのは朝です。夜は仕事が残業になったり、友人から食事やお酒の誘いがあったり、大好きなスポーツの生中継があったりと、予定の変更や誘惑がてんこ盛りです。一方、朝にはそういった予定の変更や誘惑が起きにくいので、何かを習慣化するにはもってこいの時間帯と言えます。

同じことを続けるにしても、一旦習慣化ができてしまえば、そのことに関するストレスは激減し、「続けることが難しくない状況」を作ることができます。音楽学習も例外ではありません。朝15分早起きすることは、毎晩15分ずつの時間を必ず確保することよりずっと簡単です。この小さな積み重ねが、長期的なスキル向上に大きく貢献します。

成果を可視化する

前述したように、カレンダーにやった時間を書き込むだけで十分です。何をやったかを細かく記録する必要はありません。もし記入する場合でも、ページ数、回数、テンポ(bpm)、小節数など、一瞬で書き込めるような簡単なことに留めておきましょう。これだけでも、学習の積み重ねを視覚的に確認でき、モチベーションの維持に大いに役立ちます。

小さな達成感

自分だけのミニゴールを設けましょう。まずは3日続いたらOKとしましょう。次に3日連続を3回達成する、を目標にしましょう(間が空いても構いません)。その次は7日を目標にしてみる(週をまたいでも構いません)。それが達成できたら、ひと月内に7日連続を2回達成する、に挑戦してみましょう。その次は、それを2カ月連続でやり遂げることにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。このようにハードルを「少しずつ」上げていくのが効果的です。「7日連続」の次は、目標を10日連続にしても良いでしょう。

最も良くないのは「よーし明日から絶対に1日も休まず続けるぞー!」と始めるやり方です。体調不良の時もあれば、前の晩が遅くて朝が辛い時もあるでしょう。疲れが溜まっていて寝坊してしまうこともあるでしょう。そんな時「あんなに心に強く誓ったのにもうダメかぁ。自分って…」と自己評価も下がり、新たに目標設定し直す気力も出ずそのままフェードアウトしてしまいます。

コミュニティの力を借りる

音楽学習は、時に孤独な作業になりがちです。しかし、他の学習者や仲間とのつながりは、モチベーションを維持し、学習を有意義なものと感じるための重要な要素です。シン・東京音楽教室では、MPCやMPCTributeといったイベント、そしてフォーラムを活用して、学生同士の交流や情報共有を促進しています。

イベントを通じた学びの共有

教室では年に一度、MPCという作曲イベントが開催されています。これは、生徒が自作曲を公開し、他の生徒からのフィードバックを得られる貴重な機会です。MPCは、2015年から始まり、ほぼ毎年開催されています。さらに、今年からはMPCTributeもスタートし、カバー曲を披露するという新たな形式のイベントとなりました。イベントを通じて、他の生徒の作品から新たなアプローチやスタイルを学び、創作の刺激を受けることができます。

このようなイベントは、単に作品を発表するだけでなく、感想を交換し合う場としても機能します。共通の目標に向かうコミュニティの一体感が生まれ、自分一人での努力に加え、他者の視点を取り入れることで次の挑戦に対する意欲が高まります。

フォーラムの活用

シン・東京音楽教室のフォーラムには、3つのカテゴリがあります。その中でも「日々の作曲」カテゴリでは、気軽に自作曲や制作中の楽曲を披露することができます。この場を積極的に活用することで、他の生徒との交流を通じて、新たな視点やインスピレーションを得る機会が広がります。

また、「質問・相談・課題提出」カテゴリも非常に活発です。このカテゴリでは、生徒が課題を提出したり、DTMや作曲に関する疑問を質問したりしています。他の生徒もこれを見て、「他の人がどんなことを学んでいるのか」という興味から積極的に閲覧しており、学習者同士が刺激を受け、共に成長できる場として機能しています。

継続的なモチベーションを支えるコミュニティ

音楽学習において、他者との関わりがモチベーションを保つための重要な要素です。教室でのイベントやフォーラムを通じて得られるフィードバックや他の生徒の成長を目の当たりにすることで、モチベーションを高めることができます。特に、他の生徒が自分と同じような課題に取り組んでいる姿を知ることで、「自分も頑張ろう」と思える瞬間が訪れます。

生徒同士の関わりは、単に音楽技術を向上させるだけでなく、学習、そして創作する楽しさを共有し、継続する力を与えるものでもあります。孤独な作業では得られないこのような支えを通じて、音楽の学びをより深く、充実したものにしていくことができるのです。

つまらなくならないためのコツ

「楽しむことを忘れない」なんていう人がいますが、「楽しもうと思えば楽しめる」人はそんなに単純ではありません。一方で、つまらないと感じることを長期間に渡って続けるのは、鉄のような意思とかなりの努力が必要です。つまり、何かを続ける上で、無理に「楽しもう」とするよりも、「つまらなくならない工夫」をする方が持続可能で効果的なのです。

一生懸命になりすぎない

音楽学習や練習で一生懸命になることは大切ですが、やりすぎると急に嫌になってくる時があります。完璧を求めすぎず、常に軽い気持ちで取り組むことで、音楽と向き合う喜びを失わずに済みます。

休む勇気を持つ

時には休息を取ることも大切です。もし練習や学習に疲れてしまったら、思い切って休む日を設けることが長期的なモチベーションにつながります。例えば、「先生すみません、今週はゲームにハマりまくっちゃって宿題に全然手を付けてません」という生徒でも、やる気が出た時にはメキメキと力をつけていったりします。それでもいいのです。焦らず、自分のペースで再び取り組み始めることが、最終的な成長に繋がります。

自分のペースを大切にする

「みんなはもっと速くどんどん先へ進んでいますか?」と自分以外の生徒のペースを気にする人がいます。しかし実際はそんなことなど「どうでもいい」のです。自分の大好きな曲を作った人が、どれだけの期間で作曲を身に付けたかなど、リスナーにとってはどうでもいいことですし、どんどん先へ進んでいった生徒が、結果的につまらない曲しか書けないかもしれない。速さに価値などないのです。

他人の進捗と比べるのではなく、自分のペースを守って進めることで、プレッシャーや負の感情から解放され、腰を据えて学習に取り組めるのです。

まとめ

音楽学習を続けるためには、無理のない目標設定や、自分のペースを尊重することが大切です。期限に縛られず、少しずつ進めていくことで、挫折せずに長期的な成果を得られます。ルーチン化やコミュニティの活用によって、モチベーションを高め、学習することの喜びを維持することも重要です。

また無理に楽しもうとするより、つまらなくならない工夫をすることで、最終的には音楽と向き合う時間をより充実したものにしていくことができます。常に自分自身のペースを大切にし、他人と比較せずに進めることが、持続的な成長への鍵となります。

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