Ozone de マスタリング Part19 まとめ

目次

マスタリング全般のコツ

部屋の音響特性をよく知り、しっかり調整しておく
  部屋の特性は機材よりも大切

ミックスを良い状態に仕上げる
  大幅なエディットが必要ならばミックスへ戻る

ミックスが終わった翌日以降にマスタリングする
  耳が疲れていない状態で行うのがベスト

客観的にミックスを聴いて第一印象をメモる
  客観的に聴けるような状態になることが大切

マスタリング作業は必ずスピーカーで行う
  ヘッドホンはステレオ音場がいびつな状態

バイパスを使い前後を頻繁に聴き比べる
  耳は状況にすぐ慣れてしまう感覚器官

控えめな調整が成功のカギ
  どの工程でも、最も多い失敗は”やり過ぎ”

しばしばモノにしてバランスを聴く
  大切なものはセンターにある

終わったと思ったらひと晩寝て翌日聴いてみる
  耳がフレッシュな時の印象は間違いない

様々な再生装置でチェックをする
  どんな環境で聴いても問題のないように

さまざまな音量でチェックする
  いつもの音量と、大と、小の、最低でも3通りで確認

EQもコンプも、書籍に載っていた細かな数値をあてにしない
  自分の状況が”運良く本と全く同じ”であるハズがない

マキシマイザーのコツ

アウトプット・シーリングは-0.3dBに
  ディストーションが起きにくい

mp3用のマスタリングなら-1.5dBに
  エンコード時にレベルが大きくなるため

ジャンルにマッチしたRMS値にマキシマイズ
  ジャンルによって必要なダイナミクスが違う

リリース・タイムに注意を払う
  楽曲の方向性にマッチした質感を得る

かけ過ぎ注意
  音圧戦争はとっくに終わっており時代遅れ

イコライザーのコツ

初めはデジタル系のイコライザーから習得する
  リニアで正確な反応を示すので扱いが容易

ブーストもカットも、QはデフォルトでOK
  Q幅の調整は自分の耳で判断がついてから

プロが仕上げたバランスの良い楽曲をよく聴く
  頼りになるのは自分の耳のみ

リファレンス楽曲をプロジェクトに読み込んでおく
  違いを聴き比べることによって耳が育っていく

コンプレッサーの前と後にEQを配置
  コンプ前のEQはカット用、コンプ後はブースト用

数値に気を取られずに調整する
  視覚情報からの先入観で調整の手元が狂う

コンプレッサーのコツ

マスタリングのコンプレッションは微量
  潰すというより、グルーブを作る道具

初めのうちは、ヴィンテージ系は避ける
  かかり具合やサウンドに独特のクセがある

ニーの値に注意を払う
  ニーとレシオがサウンドの方向を決定づける

アタックは基本的に長め
  30msから100msの間に収まることが多い

リリースの適正値は目と耳の両方で確認
  リリース・タイムが曲のグルーヴを作り出す

マルチバンド・コンプは特定の問題処理に使う
  まずはシングルバンド・コンプで耳と調整の修行

その他

ステレオ・イメージの編集にはスピーカー使用が必須
  広がりに対してヘッドホンは誤った認識を与える

ステレオ・イメージャーは高域中心に広げる
  低域は中央に集めた方がサウンドに芯が出る

エキサイターは高域中心に使う
  微量の倍音負荷がサウンドに煌めきを与える

DAW常駐のディザリングをオフるのを忘れない
  ディザリング後のフェーダー操作もご法度

Ozone7のモジュールの順番
  今回はこんな順番になりました(正解はありません)
  EQ→Dynamics→EQ→Imager→Exciter→Maximizer

補足

リファレンス楽曲をCubaseのプロジェクトに読み込んだ場合は、デバイス・メニューの”VSTコネクション”でステレオの出力バスをひとつ追加し(出力先はメインのStereoOutと同じで構わない)、リファレンス楽曲は新たに作ったそのバスへ出力する。そうすることで、マスターバスにインサートされたOzoneなどマスタリング用のソフトを通過させずにリファレンス楽曲をモニターできます。

最後に

僕がこれまでレッスンで見てきた生徒のマスタリングにおいて、最も多い失敗はマキシマイザーのかけ過ぎです。ニコニコ動画などでは、今もなお限界まで音を大きくして投稿しているユーザーが大勢います。

”大好きな曲”や”素敵な曲”が流れてきたら、誰でも自然とボリュームを上げたくなりますよね。逆に”聴きたくもない曲”が爆音で流れてきたら、あなたならどうするでしょう? きっと眉をしかめてボリュームを絞りますよね。つまり、マキシマイザーで音を大きくする前に、良い音楽を作ることが先決です。

マキシマイザーで限界まで音圧を上げるためにディストーションやポンピングと戦って丸1日、・・・時には丸1週間もの時間を浪費しているより、聴き手が自らボリュームを上げたくなるような音楽を作ることに時間を費やして下さい。そしてマキシマイザーの調整は10分で終わらせましょう。それが良い音楽の作り手になるための正しい姿勢だと僕は思いますし、僕の教室からプロになっていった生徒も皆、それを証明してくれていたように思います。

 
さて長らくお読み頂きどうもありがとうございました。僕自身も再認識したことや新しく知ったことがあり、大いに勉強になりました。そしてこれらの内容が、あなたが素敵な音楽を作るための手助けになったら嬉しいなぁ!

ではどうぞこれからも有意義な音楽生活を♪

 
 
iZotope ( アイゾトープ ) / Ozone7(サウンドハウス)

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