ニュージーランド出身のジャズピアニスト、ジュリアン・リー。ペギー・リーやチェット・ベイカーといった超大物アーティストとのコラボで知られています。
この動画は2018年、彼が無くなる2年前に撮影されたものです(当時94歳)。彼は74歳の時、脳性麻痺で右半身不随になりながらも、晩年まで音楽活動を続けました。
溢れ出る才能
若い頃のジュリアン・リーはピアノ、アコーディオン、アルトサックス、テナーサックス、トランペット、フリューゲルホーン、トロンボーン、ベース、ドラムなどを演奏することができ、またボーカルも担当しました。『黄金の耳』と称されるほど、彼の音楽的な才能は素晴らしいものでした。
フランク・シナトラの誘いでロサンゼルスに渡ってからは、ペギー・リー、チェット・ベイカー、ジェリー・マリガンなど著名なアーティストとプレイヤーやアレンジャーとして共演しました。
盲目のピアニストとして有名なジョージ・シアリングに対して、彼は点字の楽譜を提供することができました。なぜならリー自身もまた盲目だったからです。
動画では、サックス奏者で友人のドン・バロウズ(左。デューク・エリントンやフランク・シナトラ、ステファン・グラッペリといった著名なアーティストと共演)と、同じく友人のトランペット奏者、ジェームズ・モリソン(右。デューク・エリントンやカウント・ベイシーのバンドに在籍し、ディジー・ガレスピー、ハービー・ハンコック、レイ・チャールズといった巨匠たちとも共演)と一緒に即興演奏を楽しんでいます。
耳に入ってくるメロディとベースの動きから即座にコード進行を判断し、アドリブで伴奏をする姿には感動を覚えますね。