音程が音楽理論の鍵!初心者でも分かる音楽の基礎を学ぶ方法

音楽理論を学ぶ際に、まず理解しておきたいのが音程です(ジャズの教本などでは「インターバル」という言葉で表されます)。音程は、音楽の基本的な構造を理解する上で不可欠であり、これがしっかり身についていないと、スケールやコード、さらにはメロディとハーモニーの関係を理解するのは難しくなります。この記事では、音程を学ぶことの意義とその重要性について初心者にもわかりやすく説明します。

デスクで音楽理論を学んでいるミニチュアのシーン。小さなデスクには楽譜や音楽関連の本が並び、カラフルな音符や音階、インターバルを表す音楽記号が周囲に配置されている。楽しく学べる学習風景が表現されている。

(この記事は約13分で読めます)

目次

音程とは何か?

音程とは、2つの音の「高さの隔たり」を示すものです。音楽で用いる音にはそれぞれ音の高さというものがあり、その高さの差を音程と呼びます。そして2つの音の間で高さが「どれくらい」離れているか、つまり高さの差が「大きいか、小さいか」を測るための単位が「度(ど)」です。たとえば、2点間の物理的な位置の差を「距離」と呼び「メートル」という単位で表されるように、音楽においては2音間の音の高さの差を音程と呼び「度」という単位で表現します。

この「高さの隔たり」を正しく理解することで、スケールやコード、さらにはメロディとハーモニーの関係も自然に理解できるようになります。音楽理論において音の高さに関係したすべての要素は、この音程の概念を基礎にしています。

音程が音楽理論の基礎となる理由

音楽理論において、音程はスケールやコード、さらにはコード進行やメロディの基盤となる重要な要素です。すべての音楽構造は、音と音の「高さの差(インターバル)」によって形作られています。音程を理解することで、次のような音楽の基本的な仕組みが自然に理解できるようになります。

スケール

スケールは、一連の音が特定の音程の関係で並んでいるものです。音程を理解することで、メジャースケールやマイナースケールなど、さまざまなスケールの構造を把握できるようになります。

コード

コードは、複数の音が特定の音程で重なって形成されます。たとえば、メジャーコードやマイナーコードは、基本的に音程の違いによって区別されます。音程をしっかり理解していると、コードの構造や性質をすぐに把握できるようになります。

メロディとハーモニー

メロディとハーモニーの関係も、音程によって成り立っています。音程の知識があれば、どのメロディがどのコードに調和するか、あるいは不協和音を作り出すのかを理解することができます。

このように、音程が音楽理論の中心的な役割を果たしているため、しっかりと理解しておくことが、音楽を深く楽しむための第一歩です。

音程を理解することでできること

音程をしっかり理解することで、音楽に対する理解が深まり、次のような具体的なスキルが身につきます。

メロディとコードの関係を理解する

メロディの音がどのコードにフィットするか、またどのようにハーモニーを作るかは、音程の知識によって判断できます。音程を理解することで、メロディとコードの組み合わせが自然に見えてくるようになります。

コード進行の構築や分析ができる

音程の知識があれば、コード進行の構造を理解し、自由に作り出すことができます。たとえば、同じスケール内のコードだけでなく、他のキーからコードを借りてくる「借用和音」も、音程の知識があればスムーズに使いこなせます。

新しいスケールや音楽スタイルを取り入れることができる

音程を理解することで、メジャーやマイナーといった基本的なスケールだけでなく、ジャズやラテン音楽で使われる複雑なスケールも学ぶことが容易になります。また、音程の仕組みがわかると、さまざまな音楽スタイルを柔軟に取り入れられるようになります。

このように、音程を理解することによって、音楽のあらゆる面での応用力が身につき、より自由に音楽を作り出したり演奏したりできるようになります。

音程を学ぶための訓練方法

当教室では、音程の学習を4つのステージに分けて学んでいきます。

ステージ1:幹音同士の音程

まずはシャープやフラットが一切付かない音同士の音程を学んでいきます。楽譜で教えたり、半音の数で教えたりという方法は、今の時代にはナンセンスと言っても過言ではありません。当教室ではより合理的で実践的な方法で学んでもらっています。


仕上げには、50問の問題が並んだプリントを1つの間違いもなく答えられるところまでやります。

ステージ2:派生音を交えた音程

次のステップではシャープやフラットを交えた音同士の音程を学んでいきます。ダブルシャープやダブルフラットも扱います。音程の「考え方」を学習して頂きます。

仕上げには、やはり50問の問題が並んだプリントを1つの間違いもなく答えられるところまで繰り返し解いて頂きます。この時点で音程の「考え方」が「なんとなく」わかってくる段階です。

ステージ3:音程を使って音を探すトレーニング

基準となる音から、音程を使って音を探し当てるトレーニングです。この訓練には論理的な思考よりも視覚的な要素が非常に大切で、耳よりも主に目を使ってトレーニングしていきます。レッスンの中で、そして宿題で、どんな音からでも目的の音が見つかるように訓練していきます。

ステージ4:見つけた音の音名を正しく認識するトレーニング

最終ステージです。ステージ3とほぼ同じ内容のトレーニングですが、探し当てた音の音名をしっかり確認していくステージです。ダブルシャープやダブルフラットもかなり出てきますが、これにより音程というものの仕組みが完全に理解でき、実践力も身につきます。この時点で音程を駆使して、キー、スケール、コードというものの仕組みを正しくそして完璧に把握する為の準備が整ったと言えます。

まとめ

音程(インターバル)は、音楽理論の基本となる重要な要素です。音の高さの隔たりを理解することで、スケールやコード、さらにはメロディとハーモニーの関係まで自然に把握できるようになります。音程を学ぶことは、音楽のあらゆる要素を理解するための第一歩であり、音楽をより自由に楽しむための鍵となります。

当教室では、音程の学習を4つのステージに分けて進めることで、初心者でも無理なく、そして確実に音楽理論の基礎を身につけられるよう指導しています。音程を正しく理解し、演奏や作曲に応用できるようになると、音楽の楽しみ方が大きく広がります。

音楽理論を学びたいと思っている方は、ぜひ音程の学習から始めてみてください。しっかりとした基礎を身につけることで、音楽の世界がぐっと広がることでしょう。

目次