音楽制作現場(後編):甘く見られないための心得

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ナメられない

しかしこれらと同時に、”ナメられない”ということがまた重要です。レコーディングやリハーサルには色々な人が集まるので、その中にはナメてかかってくる人もいます。ナメられないためには、誰にでも頭を下げながらも、卑屈な態度にならない。もし自分がまだ”駆け出し”で自信が無くても、絶対に自信が無さそうにはしない。

実力を発揮する時

そして自分が能力を発揮する場になったら(それはディレクションだったり、指揮だったり、演奏だったり、問題解決の局面だったり)、その時は即断即決で一切の迷いなく、自分が出来る最良最善の答えをズバッと出す。居合抜きのようにです(そのためには日々研鑽を積んで精進に励む必要があるし、しっかりと準備しておく必要がある)。そしてその行動・言動の次元が高ければ、ナメてかかってきたアホがこのタイミングで静かになります。そしてまた頭を下げて謙虚な態度を保ち、必要なら気配を消す(時にリハやレコーディングでは、まるでそこに自分がいないかのように気配を消せる能力が必要になる時もあります)。

コミュニケーション能力

このように、この世界ではコミュニケーション能力が高くないと、どんなに演奏が良くても、曲が良くても活動の場が広がりません。そんな世界でino先生(以前は生徒、今は仕事のパートナー)は今年2017年に活動の場を一気に広げました。彼女はおかしなことを言ったりやらかしたりする心配が無いので、今日のレコーディングにも送り込めました。今頃壁にへばりつき息を殺して流れを見つめているか、せっせと名刺を配っていると思います笑

しょうもない人が減った

30年、40年くらい前の音楽業界だと、芸能界かぶれの頭のおかしな老害や、ハッタリだけのプロデューサーとかがウジャウジャいて(トップクラスの方達は別ですよ)、当時の音楽の仕事はメンタル的にしんどいものも少なくありませんでしたが、今は世代も交代して一般人と変わらない “まともな感覚” の人が増えたので、色々なことがビジネスとして粛々と進むようになりました。

若い人の方がまとも

関係者の中でも比較的若い人の方が、50代60代よりも礼儀正しくてきちんとしている場合が多く、昔よりずっと仕事がし易くなったと感じます。教室にはプロへの見込みがありそうな生徒が数人いますが、ぜひ頑張ってこの世界に飛び込んでいって欲しいものです。

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