サンプリング・レートは、納品後に先方が2mixをどう使うかによって違ってきます。動画ファイルに読み込んで使用するのなら48で良いでしょうし（大抵の動画編集ソフト-一般人向けの-は48対応です）、CDに収録するのであれば44.1に落として渡す必要がありますし、マスタリングをするのなら96や192など先方が所望するレート（「48でいいよ」という場合もあるでしょう）で渡すといいと思います。

＞96に比べ48のほうはリバーブの残響が失われ奥行きが無くなったような印象を受けました

そうです、劣化します。96の品質のまま48にダウンサンプルする方法はないので当然劣化します。でも「どうせ48にするなら一緒」ではありません。もしミックスから48でやっていたらさらに低品質になります。

＞書き出し時になんらか工夫をする必要があるのではないかと考えています。

書き出し時にはCubaseのアンチエイリアス・フィルターが働いて、何もしなくても折り返しノイズを低減してくれますが、低減にも限度がありますしフィルターの影響で可聴帯域にも悪影響が出ます。ミックス時のサンプリングレートが高ければ高いほど、ミックス最中の折り返しノイズ、そしてダウンサンプルして書き出す際の折り返しノイズとノイズフィルターの悪影響、共に低く抑えられます。そのためできるだけレートを上げてミックスしたい、というわけです。

＞32/96（もしくはそれ以上）での納品をご提案するほうが良いのではないかとも考えています。

そのまま動画にしたりCDにしたり配信したりできないので（”超ハイレゾ”と謳って96のまま売るなら別ですが）、どこかのタイミングで必ずダウンサンプルしないといけませんよね。そこで必ず音質劣化は起こるのでその提案には意味がありません（96環境でマスタリングするなら別）

ちなみに映画やドラマや企業のPR動画などの場合でも、先方が48環境でMA（マルチオーディオの略。セリフや効果音や音楽をミックスするサウンドの仕上げの最終工程）をするなら48、96環境でMAするなら96、192なら192で渡します（MAの最終段階で先方でダウンサンプルするわけです）。どちらにせよ先方次第です。

MAスタジオとはこんな感じのところです。ナレ録りしたりもします。

詳細にありがとうございます！確かにおっしゃる通り、最終的な納品形式がダウンサンプルしたものであれば無意味でしたね・・・。高音質にせねば！という思いから基本的なことを見落としておりました。

ただ、Cubaseにアンチエイリアス・フィルターが付いているということは知れてよかったです！ありがとうございます。

今回の依頼は私がマスタリングまで実施する予定なので、マスタリングまではハイサンプリングレートで行い、最後の書き出しでダウンサンプルしようと思います。