ひと昔前のマスタリング
テープ録音をレコード盤化していた時代の”マスタリング”は、一般人には縁遠いものであり、ウン百万円からウン千万円、時にはトータルで億を超えるような高価な機材や再生装置や環境を駆使して、ひと握りのプロ(=高度な知識と抱負な経験と芸術的な手腕を持った真のエキスパート)が、楽曲の音楽的な価値と商業音楽としての競争力を高めるために、その能力を総動員して物理的な限界に挑むような作業でありました。
現代のマスタリング
YouTube、SoundClowd、Amazonこれらに代表されるようなサービスを利用してアマチュアが自己の楽曲を披露あるいは販売できるようになった現代では、”マスタリング”という言葉が一般にも広く知られるようになり、”最後に体裁を整えて、音を大きくする作業”という程度の意味で使われるようになりました。
そういったアマチュアの目的を満たす安価でお手軽なソフトも続々とリリースされており、Ozoneもその最たるものであると言えます。「サルでも使えるマスタリングツール、Ozone」こんな感じでしょうか。ほぼサルの僕も最近は専らこればかり使っています。
ハイエンドな世界
一方で音楽業界の”メジャーでハイエンドなレベル”に於いては、依然として素晴らしいスタジオと高価な機材を駆使してレコーディング、ミキシング、マスタリングなどが行われており、腕利きの売れっ子エンジニアの年収が”一流のスポーツ選手と同等かそれ以上”ということからもわかる通り、質(或いは競争力)の高いものの需要は今でもあり、”エンターテイメントとしての音楽”も、まだまだ捨てたものではないな、と思わせてくれます。
等身大でいこう
さて、では僕たちサルには”サルのやらなければならないこと”がありますので、ひとりでも多くの人が自分の音楽を聴いて感動してくれるよう、1万円札2枚で買える大人気マスタリングソフトOzoneを駆使して一緒に頑張っていきましょう。
ここでは1つのプロジェクトの作編曲、録音、ミックスなどが済み、その1曲のみをマスタリングして仕上げる(現代ではこういうケースも多いでしょう)という状況を想定し、これから順を追って解説していきます。
次回は実際の作業に入っていきますのでね。イントロ長過ぎか!
ではお楽しみに。