作曲の自由を手に入れるための2つの必須スキル

自由自在に作曲するには何が必要でしょう。楽譜の読み書きでしょうか? 作曲法の勉強でしょうか? ・・・いいえ違います。必要なのはたった2つです。

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音楽理論の重要性

作曲は、絵や写真やオブジェと違い「時間の流れ中に構造物を創る」という行為です。前衛絵画や、難解なオブジェ、ファインダーを覗かずに手当たり次第にシャッターを切った写真など、時間的な流れがない表現の場合、作品の”パッション”だけでも成立します。しかし、映画、音楽、オペラ、ドラマ、ミュージカルなどは、”時間”という流れの中で観衆に”旅”をさせるようなものです。オーディエンスに不快な思いをさせず、かつストーリー的に”迷子にせずに導く”ための工夫が必要なのです。

音楽でも同じです。この工夫、つまり音楽理論を無視して作られたものの多くは、聴くに堪えないほど不快か、或いはつかみどころがないものになってしまいます。あなたが100万人に一人の天才的な才能の持ち主で、理論を一切知らずとも素晴らしい曲がどんどん書けるのなら、理論の勉強をする必要は全くないでしょう。もしくは低次元な作品に甘んじ、それ以上のものを望まないのであれば、同様に理論の勉強の必要はないでしょう。つまりこのどちらでもなければ勉強は必須なのです。

コード演奏力の重要性

和音楽器つまりキーボードやギターなどです。コードを弾くのに「えーと、、、アレ?」といったレベルでは、作曲する際に、あちこちで違和感のあるコード進行、もしくは稚拙なコード進行が生じます。またメロディと和音は切っても切れない縁にあるので、コードとメロディの不協和音や座りの悪さが目立ち、修正しているうちにメロディさえ自由自在にならなくなってきます。コード楽器がサクサク弾けるということが、作曲の”準備”として必ず必要です。

また理論の勉強で得た知識も、自分の力で再現できなければ宝の持ち腐れです。理論書をしっかり読んだのに、少しも作曲に生かせない。同じ理論書を読んだ友人は、どんどん自作曲に理論を生かせている。この差は、ただ理論書を読んで「ふーん」と言っている人と、理論書を読みながらコードを弾いて「ほんどだー!なるほど!」と言っている人の違いです。前者は作曲時に自分では何も再現できないですし、後者は学んだことをどんどん試せます。このように圧倒的な差が生まれます。

”理論と感覚を行き来しながら、メロディとコードを行き来する”、これが、自由自在に作曲できる人が作曲の最中に行っていることです。これを行うには、上記の2つが必要不可欠です。

分析に必要なスキルも同じ

そして、良い音楽や最新のヒット曲からメロディやアレンジを学ぶにも、上記の2つは決して欠かせません。この2つが習得できていなかったらアナライズ(分析)はお手上げ。”かつての名曲が最高の先生”とはよく言われますが、その最高の先生から何も学べないのです。(ルールを知り分析ができても、自分の手で再現できないと、耳が覚えてくれず自分のものにならない、つまり知識が作曲に繋がらないのです)

まとめ

「音楽理論の勉強は本当に必要か」「楽器が弾けなくても作曲できるのではないか」「なまじ勉強したら枠にハマった曲しか作れないのではないか」もしそういった疑念をお持ちの方は、途中で挫折した友人の言葉や、雑誌やソフトを売ろうとする出版社やメーカーの言葉ではなく、”実際にコード演奏と音楽理論をしっかりと身に付けて作曲している人”に「あなたにとって不必要でしたか?」と訊ねてみたら良いでしょう。「必要なかったよ」と答える人には、恐らく一生出会えないことでしょう。

疑念を持たず習得に励みましょう。作曲の世界で “自由自在” が手に入りますよ!!

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