今回はリバーブです。浮いて聴こえる楽器をオケに馴染ませたり、つまらない楽器の音をユニークにしたり、楽器が演奏されている空間をイメージさせたり、サスティンの短い楽器に豊かなリリースを与えたり、音場に横方向の広がりを与えたりなどの目的で用いるエフェクトです。ちなみに「音場」は「おんば」と読みます。磁場、重力場、電場、と同じですね。
どんなに音が良いと言っても1台のハードウェア・リバーブマシンでは、全てのパートのリバーブを微調整しながらミックス全体のサウンドを仕上げていくいくということができないので、リバーブばかりはプラグインが正解でしょうね。
今現在、僕にとって必須のリバーブプラグイン4つです。
【Seventh Heaven Professional / LiquidSonics】
名機中の名機、かつてスタジオのど定番だった Lexicon 480L のサウンドを引き継ぐ Bricasti Design の M7 というリバーブマシンがありまして(確か40~50万円くらい)、それのプラグイン版です。価格は実機の10分の1ですが、サウンドは10分の1どころではありません。この滑らかで濃密なサウンドはめちゃくちゃ僕の好みです。
Hall や Room はコンボリューションなので超リアルですが、なんと各パラメータをまるでアルゴリズミックなリバーブのように自由に調整できる。何をしているのかは謎です。その他のプリセットも実に素晴らしい。大好きです。
【R4 / Exponential Audio】
往年のデジタルリバーブを彷彿とさせるサウンドで、僕の中ではValhalla VintageVerbの上位互換みたいなイメージです。パラメーターが多くかなりの作り込みが可能で、特殊な使い方もできます。例えばERとTAILに個別にモジュレーションをかけたり、フリーズボタンをクリックしてその瞬間のリバーブ音を永遠に伸ばしたりできます。ビットレートを落としたキメの粗い80年代のデジタルリバーブの再現も最高。コンプレッサーや汚し系のエフェクトも内蔵。テンポシンクも可能。楽しい。
【Lustrous Plates / LiquidSonics】
明るくて伸びやかなプレートリバーブのサウンド・・・、好きなんですよね。これは10機種のプレート・リバーブ・マシンをプロファイリングして作られたプレート・リバーブに特化したプラグインです。プレートの材質もクロームやシルバーからベリリウムやイリジウムまで7種類の金属の共鳴や減衰の特性を再現しています。プリセットをツアーして「これだ!」と感じるものを選んで使用しています。
【SPRINGS / AUDIOTHING】
個性的なスプリング・リバーブのサウンドはギターのみならず、様々な楽器の”色付け”に使えます。このプラグインは15機種のスプリング・リバーブのエミュレーターと、ギターアンプなどに搭載されたヴィンテージなバグザンダルEQのエミュレーターを合体させたものです。コンボリューションとモデリングの合わせ技でヴィンテージなサウンド・キャラクターの再現性は非常に高いです。