フィジコンとは?
僕は長年、Steinberg CC121を愛用してきました。これはCubase専用のフィジカルコントローラー、いわゆるフィジコンです。フィジコンとは、フェーダー・ノブ・ボタンなど “手で触れる操作子” だけを備えたDAWコントローラー。USB等でパソコンと接続し、DAW(Cubase、Logic、Studio One など)の各種パラメータをリアルタイムに動かすハードウェアのことです。

部品保有義務
ただCC121は2022年の2月ごろにはディスコン(生産終了)に。家電には、家電リサイクル法などに基づいて、修理・補修の為の部品保有義務(7年)が適用されますが、これは家電ではないのでメーカーにそのような義務はありません。高品質な仕上がりで、今なお中古市場で高値で取引されているものの、もう故障したら修理できるかわかりません。
一昨年、ボタンが故障してヤマハのサポート(Steinbergのハードウェアは全て親会社であるヤマハが製造。ヤマハの浜松工場でうなぎパイを食べながら作っている。)に修理の依頼をした時も、「もし部品があれば修理できます。」という感じで、もし無ければそこで終了でしたが、運よく部品があって何とかなりました。
とは言えこのままいつまでも使い続けられないので、どこかのタイミングで乗り換えが必要。ということで、いくつかのメーカーの ”1本フェーダー” のフィジコンを渡り歩くことに。
アレもコレも
色々試したんですよね。
PreSonus FaderPort Classic

Steinberg CMC-CH

フェーダーがダメ
PreSonus FaderPort V2

Behringer X‑Touch One

Solid State Logic UF1

「Cubase対応」を謳っていても、どれもこれも思ったように機能してくれないんですよね。。全て物置きで眠っています。UF1がダメだった時点で「これにて万事休すか」と思っていた矢先、nektarから発売されていた Logic Pro 専用のフィジコン Panorama CS12 が、知らない間に何と Cubase に対応しているじゃあありませんか!
救世主現る

早速購入してみたところ、これが使える! Cubaseに対して “痒いところに手が届く度” が Steinberg 純正のCC121より高い!!
何といっても、トラックのインサートの特定のスロットに挿さったエフェクトをショートカットで開くことができ(インサートセクションを開いてクリックなどせずともダイレクトに開ける)、しかも目的のパラメータを4つのスイッチと12のノブでグリグリできる。
GUIを開かずFXのパラメーター操作
さらに言えば、当該エフェクトのGUIを開かずとも、CS12から直接パラメーターを編集できる! 液晶に各パラメータの値が数値で表示されるので、インサートにエフェクトがいくつ挿さっていようとも、目的のスロットのエフェクトを選んで、パラメーターを直接編集ができるわけです。
これは使い慣れたエフェクトを操作する場合に非常に役立つ=時短になります。もちろんパラメーターのマッピングは初期値のままだけでなく編集もできるので、目的のパラメーターを扱いやすいように好みの配置でマッピングできます。
フットスイッチx2で死角ナシ
フットスイッチも2つ接続可能で、デフォルトが、”再生・停止” と “録音” 。これまでCC121では、この2種類の機能を1つのペダルで使い分けるために、いちいちデバイスの設定に入りリモートコントローラーの窓を開いて選択を切り替える、ということをしてきましたが、それが一切必要なくなりました。便利ー!

(左から、RME Total Mix用、CS12の録音、CS12の再生・停止、MIDIキーボードのダンパーペダル。プラダンの上に固定)
効率アガる~
デスクトップはこんな感じの配置になりました。

(左から、RME Fireface UFX+ のリモコン、PCのキーボードの奥がnekter PANORAMA CS12、その右がPresonus CENTRAL STATION(スピーカーセレクター/ボリューム)と、Kensingtonのトラックボール。手前、入力用の鍵盤はStudio Logic Numa Compact 2)
いやー、さらにバリバリ使い込んでいきたいです。1本フェーダーのフィジコンとしてはややお高め(SSL UF1よりはずっと安い)ですが、Cubase用の1本フェーダーフィジコンを探している方にはオススメです! nectar PANORAMA CS12